放課後の魔術師の土屋つかささんの新シリーズ。
土屋さんは、前回の放課後の魔術師同様に魔術に関しては、わかりやすいものにしているなと思う。
そのあたりは、やはりアナログゲーム好きなところからきてるのかな?と思ってしまう。
今回は全体の話の導入って感じがした。
制限もなくルールを書き換えてしまうことができるるうると、
理操魔術の効果範囲外になぜかなってしまう犬海丸(いぬかいたまき)の関係を結ぶ話かな。
理操魔術とは、理(ことわり)、セカイのルールを書き換えること。
魔術が発動してたら、気付くことができない。常識とか自体が書き換えられているから。これを破るには、どういったルールに書き換えられたかを見破る必要がある。
そのため、効果範囲外になる犬海丸は重要な存在であるとともに異端かな。
理操魔術を破るためにどんなルールが適用されているかを見つけ出す、犬海丸の洞察力は凄い。
今後はるうるの兄、るうるが昔にあった、犬海丸のあだ名と同じ「マル」と呼ばれていた男の子がストーリーに絡むのだろうけど、
マルに関しては、犬海丸なんだろうなと愚直に思っているし、
そもそも理操魔術自体を使えるの人間が多いのは、そういう風に誰かがルールを書き換えたのかな?と思ってみたり。
これは犬海丸が、魔術師の存在を知らなかったことが、怪しいのかなと思ってます。
それにしてもイラストのるうる可愛いな!!
正直、この本を手に取ったとき「なにこのかわいいキャラ」というのが印象でした。
あと期待してるのは、放課後の魔術師ときもアナログゲームが作内に登場してきたけど、
今回も登場してきそうなところかな。
放課後の魔術師 (7)スマイル・ウィズ・ユー (角川スニーカー文庫) | |
![]() | 土屋 つかさ ふゆの 春秋 角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-05-01 売り上げランキング : 34702 Amazonで詳しく見るby G-Tools |





放課後の魔術師 (2)シャットダウン・クライシス
ボリューム(ページ数)は1巻よりも薄いです。
今回の話はジェシカの中の伊代を出すためが目的かな。
一巻のようにそれほど論理魔術で戦闘を繰り広げているという印象はないなー。
伊代のこともあるけど、ジェシカが中心。
北凰においてどれだけジェシカが重要なのか、あれだけ自然言語に対してやりとりできるのはなぜか、というのにも少し触れられています。
<鴉>関係としては、口絵でエレクトラが素敵だったので期待したんですけどね。
その代わり、遥は風呂上がりはノーブラというのが得られたので大きいですw
前回から安芸とイドのこと、安芸の姉である絵里子のこと、少しずつ伏線が張られてる。
全ては二年前の<鴉>との大規模な戦いか。伊代のことも、イドと安芸の因縁も。
安芸たちの能力の高さはある程度わかった、遥がまだまだ修行中というのもわかる。
まあ、遥に関しては一巻の時点で今後まともに戦闘が出来るぐらいのレベルになるようなことが言われてますが。
今は論理魔術がうまくできなくて物質が妙なものになるけど。
一体何がキッカケで激変するんだろう。
一番わからないのは、遥の妹の仄香。
彼女はなんだろう?
香音が指摘していたように、遥に起こることに関して予知というレベルで察知してるし。
こういうところも含めて、今後とも期待ですよ!
最後にP149の遥の制服ぐっしょりなイラストが......素敵。
スニーカー大賞を受賞した、土屋つかささんの作品です。
魔術物です。
でも、その魔術がかなり面白かったという印象。
文章中で登場する魔術が、非常にわかりやすしいし、論理魔術師ということだけあって、論理的な魔術なんです。
概念を上書きする。簡単にはそれだけなんですよね。
ブルーベリー味のガムをストロベリー味にしたりとか、落下速度を緩めたりとか。
さて、今作の主人公は、秋津安芸(あきつあき)、ヒロインは播機遥(はりはたはるか)。
安芸は、17歳にして教師。遥がその教え子。
年齢は同じぐらいなのに、教師と生徒の恋のお話になるという!!
それはそれで!
ヒロインの遥も魅力的なキャラクターであるのは間違いないんですが、
ここは笠木香音(かさぎかのん)を押しておきます。
安芸は人間だけど、厳密にはちょいと人間というものとは違う。
で、香音はというと......論理魔術をいくつもいくつも蓄積させた≪人形≫(ドール)という兵器なんだけど、萌える。
遥自身も、一度見た、聞いたものは完璧に思い出せるという特技をもっているけど、
それは彼女の秘密に関係するんじゃないかな。
場面、視点切り替えのやり方も面白みがあって、好印象でした。
作者の土屋つかささんのブログはこちら土屋つかさの今か無しか/ウェブリブログ
絵師のふゆの春秋さんのHPはこちらふゆの春秋's テクノフユノ
角川スニーカー文庫の2008年11月1日の新刊情報
![]() | ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫 123-21) 三雲 岳斗 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ダンタリアンの書架1
著:三雲 岳斗
イ:Gユウスケ
定価(税込):580円
![]() | ドラモンド家の花嫁 (2)憂鬱な月が満ちるまで (角川スニーカー文庫 38-33) 冴木 忍 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ドラモンド家の花嫁 (2)憂鬱な月が満ちるまで
著:冴木 忍
イ:若月 さな
定価(税込):580円
![]() | 会長の切り札 一芸クラブに勝機あり! (角川スニーカー文庫 140-29) 鷹見 一幸 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
会長の切り札 一芸クラブに勝機あり!
著:鷹見 一幸
イ:KeG
定価(税込):620円
![]() | 機動戦士ガンダム00 (3)フォーリンエンジェルス (角川スニーカー文庫 0-77) 富野 由悠季 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
機動戦士ガンダム00 (3)フォーリンエンジェルス
著:木村 暢
作:矢立 肇
作:富野 由悠季
イ:米山 浩平
イ:海老川 兼武
イ:柳瀬 敬之
イ:羽音 たらく
定価(税込):650円
![]() | 黒猫の愛読書 II THE BLACK CAT'S CODEX 聖なる夜の外典 (角川スニーカー文庫 209-2) 藤本 圭 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
黒猫の愛読書 II THE BLACK CAT'S CODEX 聖なる夜の外典
著:藤本 圭
イ:Dite
定価(税込):580円
時載りリンネ! 2.時のゆりかご
前巻の印象がよかったのと、なんだか表紙の印象がよかったので購入した。
今回は、時載り──故ハゼル・シュビュックの作品を巡った話。
リンネと久高、G、凪は覚えてたけど、正直遊佐を忘れていた。
オークションで、Gをエスコートする相手を探す時に遊佐の存在がすぐに出てこなかった。
とりあえず、リンネは後々正式にバベルの塔から時砕きに承認されるがこの巻では中盤では承認されない
なので、今回出てきた逸脱者は結局リンネが、バベルの塔からの時砕き承認を辞退すること、また時の旋法を渡すことを要求してきた。
時砕きとしてリンネが逸脱者と派手に時間を使った戦闘をする。
なんというか、やりたい放題やったとの後始末に凪の能力が使われたなーと思ってしまった。まあ、作内としては枯れた花をよみがえすためだったけど。
たしかに凪の能力は強力だから、時載りが起こしたことなどに対しての後始末には向いてるけど。
今回、見どころに感じたのは、遊佐とGのオークション絡みかな。
個人的に、Gがなかなかに素敵だったのでというのもあるけど。
オークションに参加するGと遊佐のイラストは見てみたかった。
その一方で久高とリンネの小学生組も、なんだか微笑ましいけど。
終わりの方で、バベルの塔から時砕きに承認され、最年少の時砕きになった。
時砕きになったときの、リンネの家族の反応を知りたい気もした。
また、バベルの塔が実際どういうところなのかも。
そのうち、バベルの塔を舞台にした話が出てくるのを期待しておこう。
やっぱり、活字を摂取しないといけない時載りには共感するなー。なんだかんで、私も活字がないとなーと思ってしまうので。ただ、リンネが読んでいる本はあんまりしらないものばかりだしなー。時載りにとっては、内容よりも活字を摂取ということが重要なんだろうからなー。
とりあえず、次巻はどんな話になるのか楽しみだ。
関連記事
時載りリンネ! 1のレビューらしき紹介
時載りリンネ! 1 (1) (角川スニーカー文庫 203-1) | |
![]() | 清野 静 角川書店 2007-07 売り上げランキング : 7380 Amazonで詳しく見るby G-Tools |





短篇とイラスト、ラフ集。ページは、130弱かな?
収録されている短篇は
・本日は猫日和、ところによって魔法使いと出会うでしょう
・魔法使い、結婚します!?
のふたつ。
短篇よりも、イラスト集が印象に残った。
ザ・スニーカーを買わない人間としては、ザ・スニーカーに掲載されたイラストが見ることができたのはうれしかった。
ラフもなかなか。
短篇は、「魔法使い、結婚します!?」でのアディと穂波が面白かった。
魔術的な意味とはいえ、穂波とアディが結婚するというのは。
私としては、アディと穂波のウェディングドレス姿は、挿絵などで見たかった気がする。
せっかく、イラストが収録されていてカラーが多いのだから、カラーの挿絵でいれてほしかった。
今回、アディと穂波がパスで繋がったときに、アディがいつきに好意を抱いてることを穂波が知ったと思うので、そのあたりからくる変化が今後は気になるかな。
歩いていこう。 | |
![]() | 吉田旬吾 宅見将典 JVCエンタテインメント 2007-11-21 売り上げランキング : 714 Amazonで詳しく見るby G-Tools |





<協会>の格付け審議のため、アストラルのメンバーはロンドンへ。
ロンドンと言えば、穂波やアディリシアの母校の<学院>がある。
元々ランクの低いアストラルが格付け審議の為にロンドンの、<協会>の本部まで呼び出されるとは。
いつきが、社長になってからの一年で起こった様々な出来事、更には前巻のレンタルマギカ吸血鬼VS魔法使い! [AA]で、金翅院から委譲された霊地が引き金になったみたいだが。
無事に審議が始まり、終わるわけもない。
ロンドンで起こっている魔法使い殺人事件の現場で、猫屋敷たちが目撃したユーダイクス・トロイデ(らしき人物)、穂波が持ってきた伊庭司の原書(オリジナル・グリモア)を奪った(ついでにいつきが攫われる)ラピス。
ユーダイクス(らしき人物)とラピスの組み合わせだから、二人が魔法使い殺人事件に絡んでいるように思えたけど、実際は原書の強奪と魔法使い殺人事件は別々のこと。
ラピスに攫われた?いつきが、見たのは首だけになったユーダイクス。
ユーダイクスは、人間ではなくて、昔作られた自動人形。
奪われた首から下の身体は、魔術決闘でユーダイクスが破られたから。
でも、前にいつきたちがユーダイクスと戦った時のことを考えると、
ユーダイクスを負かした相手がどれだけの実力者かよくわかる。
いつき不在の中でも、<協会>の審議の時間がジリジリと迫る。
ユーダイクスの身体が奪われたことで、魔法使い殺人事件との繋がりが見始める。
もちろん、暗躍しているのは<螺旋なる蛇>。
<螺旋なる蛇>の目的は、ロンドンの瀉血。
簡単に言えば、ロンドンの汚れた呪力を集めること。
そのために、魔法使い殺人事件を起こした。
被害者の十二宮と奪われた身体の部位。
それらも魔術的な意味があったわけだ。
物語後半から起こるユーダイクスの身体を奪った<礎>(イエソド)と猫屋敷の戦闘は凄かった。
穂波とアディリシアも戦闘能力は高いけど、猫屋敷も相当だな。
幾ら猫屋敷が言うように陰陽術がありとあらゆる呪術の寄せ集めだからといっても、他の呪術のエミュレートをこなすというのはスゴイ。
<螺旋なる蛇>の一人、メルキオーレが<協会>の審議がおこなわれている<学院>を襲い、<協会>の副代表であるダリスが狙う。
だけど、ダリスから裁く許可が出た影崎が一番デタラメだった。霊脈を強引に上から押しつけてしまうなんて……。
魔法使いを裁く魔法使い影崎……すげぇな。
印象的だったのは、猫屋敷が黒羽にいった黒羽が一番いつきと長い付き合いになるのではないかというところ。
確かにアストラルは、様々な理由で集まった魔法使いの集まり。
みかんなら葛城家の事情。
猫屋敷、穂波もそれぞれの事情。
アディリシアに至っては、言うまでもなく。
そういうしがらみに囚われていない存在というのは、黒羽だから。
彼女こそが、最後までいつきと一緒にいられそうだ。
だけど、彼女はいつきで出会う前の記憶も、生きていた頃のことも覚えていないからもしかすると物語を左右する存在になり得るのかも知れない。
レンタルマギカ 第2巻 (2) (あすかコミックス) | |
![]() | 成宮 アキホ 三田 誠 角川書店 2007-10-17 売り上げランキング : Amazonで詳しく見るby G-Tools |





大助と詩歌、利菜の本編以前のエピソードが収録されている。
・夢の始まり
・夢の黄昏
の二つ。
夢の始まりは、大助と詩歌の出会い。
本編では、ふゆほたるをかっこうが欠落者にしたというエピソードの片鱗に触れられることがあったが、これがそのエピソード。
ふゆほたる──詩歌が虫憑きになったこと。そして、かっこうが特環での始めての任務。
そして高鍬雷がふゆほたるの登場を契機に、クーデターを起こす。
けど、実際の狙いは虫憑きによって国を混乱させて、他国に介入させることで武力による虫憑きを殲滅すること。
土師と高鍬の思惑のやりとりよりも、やっぱり詩歌と大助が気になった。
見開きの挿絵のところはやはり印象的だった。
このエピソードでは、後にむしばねにいるなみえも登場していたしね。なみえが詩歌に抱いている思いに触れることもできる。
夢の黄昏は、利菜が虫憑きになるエピソード。
持って生まれたカリスマなのか、利菜がいろいろすごすぎていた。
それよりも、在る意味ですごいのが利菜の家庭教師をやっていた三ケ島万のキャラ。
正直、いろいろ心配になる。
利菜自身が虫憑きになるまえに出会った虫憑きは三人、日々野 一房、帽子屋、ロッコ。この時、まだ虫憑きではなかった城谷 怜司も登場している。
やっぱりというか、なんというかムシウタの中心にいる虫憑きの夢ってみんな「居場所」なんだなと。
願いの形はそれぞれだけど、同じことを思っているのか。
ムシウタ 第1巻 限定版 | |
![]() | 浅沼晋太郎.花澤香菜.生天目仁美.田村ゆかり.平川大輔.高木礼子.志村由実.黒河奈美.白石涼子 酒井和男 角川エンタテインメント 2007-09-28 売り上げランキング : 6226 Amazonで詳しく見るby G-Tools |





さて、第11回スニーカー大賞受賞作奨励賞受賞作品。
始めに言うと、私は時載りのリンネ!の方が好きです。
主人公である睦月透真は万物を自在に操ることができる能力「操糸術」を使える異能力者。透真の母も同じ能力を有している。つまりは、そういう能力をもった家系。
彼らから言わせると、人には「糸」があり、その糸は四肢などから出ているらしい。
その糸を操ることで、相手を自在に操ることができる。
世界とは、大きな人形劇の舞台であると考えることもできる設定だと、私は思った。
まあ、面白いには面白いんだけど、私は何か足りないかな?と思った。
カタナが良いキャラしてるけど、もう少しかなー。
透真の力の覚醒が、都合通り戦いの最中にきたのが……。
最後の最後に、起きた出来事。
予想はしてたけど、このあとどうするのかは非常に気になる。
読み始めて最初に思ったのが、リンネが小さなハルヒに思えたと言うこと。時載りという種族であるリンネは200万字の本を読むことで、1秒時間を止めることができるのだが、200万字って多いのか?
普段から、あれこれと本を読んでいるけど、それらがどれだけの量なのかわからないので、多いのか少ないのかよくわからない。
まあ、200万字打つのは大変だというのはよくわかってます。
物書きやってますから、ホントに書くのは大変だけど、読まれるとあっという間なんだよなー。
さて、「わくわくするような大冒険がしたいなー」というリンネ。彼女が遭遇した女の子。女の子の忘れ物である本がリンネをわくわくするような大冒険に巻き込んでいくことになる。
女の子の忘れ物である本は、誰も読むことが出来ない。本の持ち主を
普段は、出会うことのない時載りの子と出会い、リンネがいうようなわくわくするような大冒険というか、出来事に巻き込まれることになる。
その中で時載りの上位にいる時砕きという七人の存在との関わりも出てくる。
また、主人公の久高の妹、凪にも秘密があり、それは時砕き、時載りとはまた異質なもの。
だけど、同じバベルの塔に関わりをもつことは共通だ。
話の大筋としては、誰にも読めない本を巡った出来事。その本──時の旋法が時砕きのものであり、時の旋法が所有者がリンネと認めたことでリンネが何を思うかと言うところか。
そもそも、私はこの時載りリンネ!という物語を、かなり別の作品だと思っていました。
というのも、
第11回スニーカー大賞《奨励賞》受賞作!!
200万字の本を読むことでたった1秒だけ、時を止めることができる一族“時載り”。バベルの塔に住み、本を摂取することで生きている彼らだが、わざわざ人間界にやってくる変わり者もいる――それが僕の隣の家に住む幼なじみの少女・リンネだ。「わくわくするような大冒険がしたいな」というリンネの一言により僕らは、時間を自由にまたぎ歴史の中に住む死の集団“時砕き”が所有する、“誰にも読めない本”を巡る冒険を始める――!
幼なじみは、バベルの塔からやってきた“時を止める少女”!
web角川より引用
もう少しバベルの塔、その内部に触れられると思っていたので。
バベルの塔は作内では、世界中のあらゆる時代の本が集まった場所とされている。
web角川での説明を読んだときになぜか、そこの住民であるリンネが人間界に来る話だとばかり……。
蓋を開けてみればかなり違ったわけで。
そういった差異を抜きにしても、この作品は楽しめた。
本を読んで摂取する時載りたちには、ある種の共感を覚えた。
好きで読んでいる本だけど、やはり読まないと死ぬかも。とか思うときがあるあけで。
時載りたちにとっては、本を読むという行為が食事の華割りなのでもっと深刻なものなんだろうけど。
時砕きたちの存在に若干の疑問が残ったけど、それ以外はよかったんじゃないかな。
とりあえず、続きが出るなら買う。