よふかしのうた 第69夜「自分探しにはもってこいだ」
ナズナの過去を調べて、弱点になる「人間の時に思い入れの強いもの」を探す必要がなくなった。
そもそも生まれついての吸血鬼なのだから、それに該当するものがないのだから。
一方で、鶯餡子がいってた「吸血鬼を殺す方法は一つじゃない」が気になる。
それはそれとしても、コウはナズナのことをもっと知りたいと考えている。
つまりこれまでの「過去探し」から「(ナズナの)自分探し」に変わった。
自分探しについて、ナズナは疑問があった。
一体何を見つけたらゴールなのか。
自分探しはしたことないけど、
ああいうのは普段とは違う環境、または文化に触れることで、
自分がやりたいことを見つけたり、元いた場所に戻って当たり前だと思っていた事が
大事だと気が付いたりするものなのじゃないかな。
コウくんは
自分探しと旅は似ていて、
旅でいろいろな経験をして、
「やっぱり家が落ち着くなー」って言えるのがすごいこと。
そう考えると、自分探しは手段が目的なところがあるんじゃない?
という考え。
ふらふらと辿り着いたのは定時制の学校。
ナズナは、学校自体には10年前ぐらいに来ていたことはあるらしいけど、ちゃんと覚えてない。
そもそも学生だったのか、学校に通えていたのか、そういうのも覚えてない。
......10年ぐらい前なら微かにでも覚えていそうなんだけど。
ナズナの言葉からだと、この学校には楽しくない思い出があるっぽい。
校舎内に忍び込むと授業中。
定時制の学校だしね、この時間から授業しててもおかしくない。
ただコウは、
昼に学校に通えない、大人になってから勉強したい人が通う定時制というのは、
知らなかった世界だったみたい。
定時制の学校で授業をしていたのは、ニコだった。
......ええ。
ニコが教師をやってるのか。
こっそり覗いていたコウとナズナに気が付いたニコは固まってしまった。
なんかわかるわ。
仕事モードとか近しい人に見られるというのは恥ずかしいものだしね。
こうなるとナズナの自分探しをしつつ、ニコの昔の話をやる形かな?