つまり記憶は思い込みの積み重ね。よふかしのうた 第60夜「全然違うわよ」 このエントリーをはてなブックマークに追加 つまり記憶は思い込みの積み重ね。よふかしのうた 第60夜「全然違うわよ」

よふかしのうた 第60夜「全然違うわよ」

a

果たして、ナズナはカブラの眷属なのかどうか!という感じが、
前回の引きだったわけだけど、
まあ、あっさりと否定された。

ちがうのかい!

コウもだいぶ確信をもって、結論に辿り着いた風だったのに!
ちがうのかい。
カブラがいうように、ナズナがカブラを好きになるなんてありえないか。
でも、人間だった頃であれば、それはあり得たかもしれないじゃないか。

遅れてやってきたナズナも辿り着いたのは、コウと同じで自分がカブラの眷属だというもの。
まあ、違うんだけどね。

a

カブラが立ち入り禁止の病室とそこにあった写真について話してくれることになった。
過去の話をする前に、前提としておくことが2つある。

1つめ、吸血鬼は人間だった時の記憶を失くしていく。
2つめ、血を吸えば相手の感情や考えていることがなんとなくわかる。

カブラは「記憶」について話始めた。
記憶というのは、本来忘れていたものも「こんなことがあった」と聞かされて、
「覚えている」と錯覚して「自分の記憶」だと思い込むこと。
それの理屈で言えば「記憶は後付けで作り出せる」。
それがカブラの親吸血鬼が言っていたこと。

カブラは人間だった頃の自分の血を輸血パックに残している。
これは自分が人間だった頃の記憶を忘れないようにするため。

つまり、吸血鬼は血を吸えば、相手の感情や考えていることがわかる。
それを拡張して言えば、血を吸った相手の記憶を垣間見ることができる。

a

そんなカブラが残しておいた血をナズナに飲ませることにした。
人間だった頃のカブラが何を経験したのか、
立ち入り禁止の病室でナズナが見つけた写真が何かを説明しやすいために。

人間だった頃のカブラは入院していて、その面倒を見ていたのが「七草ハル」。
ハルはとてもナズナに似ている。
でも、カブラのこれまでの反応からきっとナズナではない。
でもナズナと同じ「七草」なんだよなー。
このあたりの詳しい話は次回以降になる。

今回、カブラが触れた「記憶」の話と、
血を飲めば相手の感情や考えてることがわかるということから、
ナズナはきっとハルの血を吸っているんじゃないかな。
だから、時折、カブラに対して昔から知っているような発言をするんだろうな。

よふかしのうた(5) (少年サンデーコミックス) Kindle版