「トニカクカワイイ」の購入動機についてのアンケート結果及びその考察 このエントリーをはてなブックマークに追加 「トニカクカワイイ」の購入動機についてのアンケート結果及びその考察

本題前に

まず最初に予防線を張ります。

広告や宣伝についてはシロウトです。
本職としてこういうことを常日頃にやられている方からすれば、
もっと別の結果や情報が得られるのかもしれませんが、
私にはできないので、事前仮説と事後の結果から考えてます。
またタイトルに「考察」と書いてますが、それほど仰々しいものでもないです。

トニカクカワイイを購入した方に質問です。トニカクカワイイを購入したキッカケはなんですか?

今回、上記のようなアンケートを実施させてもらいました。
選択肢はあとで出てくるので、ここでは割愛します。

これをやった理由は3つ。
1.自分が作った紹介画像の効果ってどのぐらいあったのか?
2.まんが家さんを始めとする作家さんたちがおこなう
「購入報告」「感想」のツイートのRTがどのぐらい購買意欲に結びつくのか。
3.面白そうだから!

1の理由は個人的なやつなんですが、2の方って気になりません?
私は気になりました。だから「面白そうだから!」も理由です。

なぜ今回のようなことがきになったのか、
まんが家さんって、自分の作品のコミック発売日や作品の感想をTwitterで検索して、
それをリツイートして拡散していることがあります。
あれって実際どのぐらい影響力あるんだろう?って思ってしまったのです。

雑誌やゲームとかだと
「本誌/本作を買った理由は何なんですか?」みたいな
アンケートがあったりするじゃないですか。
最近はソシャゲのアンケートでも、どこで知りましたか?みたいのがあります。

そういった方法である程度、宣伝効果を図ってると思うんですが、
まんが家さんが自分のRTをキッカケに本を購入した人がどの程度いるのか
調査しているのを、Twitterで見たことはないです。
少なくとも私の観測範囲で見たことないです。

じゃあ、効果ってどうなのよ?というのがこのアンケートのお話です。

選択肢選定

まず、アンケートを実施するにあたり、何を選択肢にするかというのを考えないといけません。

コミックス購入の動機的要因を考えた場合、
「固定ファン層」、「CMをみて」、「表紙買い」、
「特典に釣られて」、「作品/作者ファンの紹介」
あたりが選択肢として考えられると思いました。

他にもいろいろと聞きたいことはあったのですが、
Twitterの投票機能的に最大4つまでという制約があります。
なので、これらを選択肢にすると、次のようになりました。

1つ目「元々、購入することを決めてた」

作者のファン、または作品のファンが購入する人達であり、
プロモーション活動に影響されない人たちという枠組みです。

2つ目「畑先生の「購入報告」や「店舗情報」のRTをみて。」

畑先生をフォローしている人たちは、
畑先生が定期的におこなうRTを目にする機会が多いと想定し、
そうすると「あー、タイムラインでみたことあるなー」となり、
店頭で見かけた時に買う。
とか
畑先生のRTの感想で「トニカクカワイイは面白い」といってたな。
となると考えられるので、テレビCMっぽいよねということで、「CMを見て」をこれにしました。

3つめ「店頭で見かけて/店舗特典に惹かれて」

「表紙買い」や「特典」については、内容よりもイラストに興味をもった
という観点では同じだろうということで選択肢としてまとめました。

4つめ「応援ツイートを見て」

これが「作品/作者ファンの紹介」にあたります。
今回は、下記のような紹介画像を作ってみた。

これがRTといいねが100を越えたので、それなりに拡散したということもあり、
ファンがこのような紹介画像を作る、または紹介して作品を応援することで
どれだけ購入に繋がるかです。

結果予想

まず、アンケート実施前の想定していた結果は下記でした。
1位 元々、購入することを決めてた。
2位 店頭で見かけて/店舗特典に惹かれて
3位 畑先生の「購入報告」や「店舗情報」のRTをみて。
4位 応援ツイートを見て。

1位は、当然、作品購入の大半は作品ファンや作者ファンだろう。
5-7割はコレでしょう。ファンが買い支えているというのは容易に予想できることです。

次の2位が店舗特典や店頭で見かけて買うケース。
本屋でなにげなく新刊コーナーで見かけて気になったから買ってみたり、
Webサンデーや各店舗のサイトで特典イラストが載っていて、
なんとなく気になって買うという層がそれなりにいるのではないか。

3位が作者のRTによるもの。
この位置と予想したのは、4位の紹介ツイートが与える影響よりも、
作者のRTの方が影響があるだろうという予想です。
これを2位にしなかったのは、作者をフォローしているTwitterな人たちは、
固定ファン層である比率が高いだろうし、
そういう人達は作者やファンのプロモーション活動の影響を受けずに、
そもそも買うことを決めていると思うからです。

4位は応援ツイート。
他の選択肢を考えると、一ファンの応援ツイートが与える影響が
一番小さいだろうということでこの順位と予想しました。


アンケート結果




1位の「元々、購入を決めていた」はだいたい想定通りなのでいいのですが、
注目するのは1位以外ですね。

2位 畑先生の「購入報告」や「店舗情報」のRTをみて。
3位 応援ツイートを見て。
4位 店頭で見かけて/店舗特典に惹かれて

この順位ですよ。
作者のRT効果が高い!
2位と予想していた「店頭で見かけて/店舗特典に惹かれて」が最下位というのは驚きです。
細かい話は次から。

1位は作者/作品ファンなので、プロモーション活動に関係なく買う人達です。
今回のアンケートで重要なのは1位以外に投票した人達であり、
なんらかのプロモーションによって買った人たちです。

「2位 畑先生の「購入報告」や「店舗情報」のRTをみて。」

これがプロモーション活動として一番効果あったのはなぜなのか?
やはり、畑先生のRT頻度によって、
「タイムラインでよく見かけるな、もしかして面白いのか?」という状態になるのかな。
あとは「話題になってるな?」という認識にさせられるのかな。
もう一つ想像するに、畑先生をフォローしている人たちの中で
購入しなかった人たちのうちの何割かが、畑先生の怒濤のRTに影響された可能性があるのかな。

また畑先生のRTをさらにRTする人たちもいます。
その人達のおかげで、多少なりとも畑先生のクラスタの外側に情報が伝搬しているのかもしれない。

「3位 応援ツイートを見て。」
はい、自分でやっていて、一番意外でした。
この選択肢の書き方では、私がおこなった「紹介画像+紹介文」のツイートに限定しているわけでないのですが
「あいつが言ってるなら面白いのかも」だったり、「ああ、これってそういう作品なのね」と思うことがあるのかな。
作品/作者の応援ツイートがキッカケになるということになります。

「4位 店頭で見かけて/店舗特典に惹かれて」
これが一番低いというのは実は意外でした。
一番得票数が少ないからと言って、特典を入手している人が少ないかというとそうではないです。
Twitterの購入報告を見ていると、結構特典を手にしている印象があります。

そもそも何らかのキッカケで、既に購入を決めた人が、
「せっかく買うんだし、どこで買おう」という購入店舗を決めるものになっているんでしょう。
また、特典コンプや複数入手勢もいるのでしょう。
私も特典は複数入手するので、これに該当します。

とまあ、事実からわかることはこのあたりですかね。

アンケート結果からみると、
作者が実施している感想/購入/入荷情報のRTというのは効果がある。
ですね。

最後に

Twitterの投票機能を使ったので、
主に畑先生をフォローしてる人、私をフォローしている人が
回答者であると思います。
それによる一定の偏りが考えられますが、今回の投票推移を監視していたのですが、
私がツイートした直後は、元々の作品/作者ファンの投票が多かったので、
「元々、購入することを決めてた。」が8割以上を占めていました。
しかし、畑先生が当該ツイートをRTしたことで、もう少し広がって、投票もばらけて
今回の順位となりました。投票数が増えても、順位自体には変動はなかったです。

選択肢に入りきらなかったのですが、
いわゆる情報系ブログやwebサイトによる効果というのは
どうだったのかも調べてみたかったですね。

コミックスの購入動機は今回の調査と同じように、
元々購入を決めていることが大半を占めると思うのですが、

クチコミやアニメ化によって作品の読者層が広がった場合、
普段の作者のクラスタの外の人達が購入することになるので、
また別の結果になると思います。

物を売るということを考えると、普段接していない「一般層」にいかにして情報を届けて
興味を持ってもらうかが大事だけど、それを考えるととても難しくて、
アニメ化やCMって効果絶大だよなーと改めて思いました。

頭の方でも書きましたが、ゲームや雑誌ではアンケートで「なぜ購入しましたか?」みたいなものがあります。
しかし、コミックスでは私が知っている範囲ではそういったアンケートがおこなわれているのはしりません。
あ、もちろん、私が知らないだけで、やってるものもあるのかもしれない。

今回、私が実施したように何らかの方法で、
作者の方々おこなってる広告/宣伝活動の効果検証というのは必要なんじゃないかな。
私が知らないだけで出版社では何らかの方法で効果検証してるのかもしれないですが。


最初にも書いたけど、専門的にこういう検証分析をしている人たちだと、同じ数字でも違った見え方があるのかもしれない。
個人的には、今回みたいな話を書くには楽しかったですね。


4091282636トニカクカワイイ 1 (少年サンデーコミックス)
畑 健二郎
小学館 2018-05-18

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