Fate/zero 4巻「煉獄の炎」 このエントリーをはてなブックマークに追加 Fate/zero 4巻「煉獄の炎」

Fate/Zero Vol.4 -煉獄の炎- (書籍)


己の迷いに終止符を打つため、いよいよ自らの戦いを開始する言峰綺礼。
周到なるその策略は、瞬く間に聖杯戦争の趨勢を塗り替え、誰もが予期しなかった展開へと導いていく。
見えざる手に翻弄されるがまま、男たちは、女たちは、信念のため、野望のため、或いは守るべき誰かのために、凄絶に命を散らしていく。

綺礼の暗躍を察知した衛宮切嗣は、相手がもはや決して避けられざる宿敵であることを了解し、
覚悟を決めて、その待ち受ける罠に敢然と挑みかかっていく。

そして運命の導きは、二人の男を対決の場に集わせる。

激突する三人の王。その真名を解き放ち咆吼するバーサーカー。
残る全てのサーヴァントが覇を競う熾烈なる最終決戦の最中、ついに業火とともに降臨する聖杯。
秘め隠されてきたその正体が、今、白日の下に晒される……

やがて一人の少年が、運命に出会うその日に向けて――過ぎ去りし日々の物語は、
今、語り継がれた惨劇の真相へと辿り着く。『Fate/stay night』外伝ここに堂々の完結!(Fate/Zero公式ページより)

結末はわかっている。
問題はそこへどう至るか。
それが非常に気になった。
だからこそ、買い始めたFate/zero。
Fate/zeroの最終巻。

切嗣の過去の話は、ホントに彼は人としてどこか欠けていると自覚しながら、その欠けている自分を客観的に見ていた。衛宮も、他の魔術師と変わることなく『根源』へいたる事を目的にしていて、そのために「死徒化」の研究をしていた。確かに人の身体では、『根源』へ至るためには時間が短すぎる。
ナタリアに渡された銃で、幼い切嗣は冷静にかつ確実に父を殺したな。
思えばこれが、彼の『正義の味方』としての方向性を決めたのかも知れない。
“狩人”としての師匠であるナタリアが死徒化した乗客乗員が乗っている飛行機にいるときも、彼女が助かった安堵、彼女ごと死徒を殺す算段を考えるということをしていた。
彼がもっている正義という天秤は、確実に多くを助ける方を選ばせるんだな。

とまあ、切嗣の昔話。

聖杯戦争は、遠坂時臣の死に様が予想していたよりもあっさりだった。あれぐらいあっさりとしている方がいいのかもしれない。綺礼の手に渡ったアゾット剣が時臣を貫き、凛の手に渡ることになり、そしてFate/staynightでは、それを凛が綺礼に使うんだからなー。
ギルガメッシュと綺礼が動きだし、間桐雁夜に時臣と会う機会を作るといって利用して、アイリスフィールがいた衛宮邸の倉を襲い、アイリスフィールを奪取。
その際に、バーサーカーをライダーに偽装させているから、衛宮陣営はライダーの仕業とダマされたが。
それにしても、ライダーに偽装したバーサーカーを追う際にセイバーが使っていたバイクが常識外れだし、それをサーヴァントだからって強引に使っていくセイバーも異常すぎた。あのぐらいやると、いっそすがすがしい。
実際、本物ライダーを追いかけることになったセイバーは誰かの策略に嵌められた事を気がついても、ライダーには関係のないことだから、闘うことになったけど、ウェイバーがその戦いで自分が邪魔だと悟ったのが……。

雁夜は、綺礼に、間桐に、狂わされたな。葵にしろ、桜にせよ、ただ雁夜は救いたかっただけだろうに。でも、彼の最後はある意味で平穏な夢を見たのだから唯一の救いだったのしれない。

最終決戦の日。
アーチャーとライダー
ウェイバーが令呪をすべて使いライダーに命令したことが、アーチャー戦でははよい結果になった。途中ライダーが提案したように、ライダーの宝具「王の軍勢」と「王の財宝」を使えば、かなりの軍勢になったろうな。
ライダーとウェイバーの別れ際は非常に印象的だったし、ギルガメッシュもウェイバーをライダーに仕える臣として認めて、殺さなかったことにはどこかギルガメッシュも本当に王だと思った。
ギルガメッシュとライダーの戦いのあり方も、王同士の戦いだった。

バーサーカーとセイバー
セイバーとゆかりのある人物で、円卓の騎士といえば、ガウェイン、ランスロットなどを考えていたけど、まさかランスロットがバーサーカーとは。
Fate/staynight ではサーヴァント同士で縁の組み合わせはいなかったから、縁があるとこうなるかと。(英霊エミヤはおいておくとして)
セイバーが罪の意識に苛まれていったが、それでも聖杯を手に入れようとしたセイバーは辛かったのかもしれないが、それでも王として聖杯を手に入れなければならなかったからなー。

切嗣と綺礼
この二人の戦闘はおかしいよ。ホントに。
アヴァロンの治癒能力があるから、切嗣が三倍、四倍に加速しても痛みは残っても、ダメージが残らないから限界までいけたし、それに対応していく綺礼も凄いな。
聖杯が見せたものは、切嗣が正義の味方としていきつくさき。より多くを生かす選択の末。それは後に、士郎も辿るであろう選択の末。それを選択した英霊エミヤの末なのか。

結局、切嗣は聖杯を破壊することが多くの人間を救うことだからセイバーに破壊を命じたのか。セイバーは彼がその決断に至った経緯もなにも知らないのだから、サーヴァントに命令を強制する令呪を呪うのは確かか。
悔しさのまま、セイバーは元のアーサー王として戻り、再びの召喚を待つ。

Fate/zeroでは、セイバーと切嗣はマスタとサーヴァントという関係にはなかったな。
士郎と切嗣の出会いが、最後の方に来るとは思っていたので、Fate/staynightで読み慣れた場面へと。

全4巻内容が濃かったな。
4巻は読み終えたときに何とも言えない気持ちだったが。
ウェイバーが死ななかったことに安心した自分がいた。
生きていてくれて良かったよ、ウェイバー。

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