(外したけどね!)自分が出した由崎司の正体に辿り着くための思考過程をまとめておく。 このエントリーをはてなブックマークに追加 (外したけどね!)自分が出した由崎司の正体に辿り着くための思考過程をまとめておく。

タイトル通りで、このテキストが出るときには、本誌で司の正体がわかっています。

なのに、なぜ、このテキストを出すのかというと、自分の思考過程を残しておきたいからです。

私の答えを書いておくと「竹取の翁の妻「嫗(おうな)」」です。
理由は後で書きます。
まずはこれに辿り着くまでの話。
ちなみに外しました。
なので、以下はがんばって考えて、外した人間の残骸です。

「トニカクカワイイ」の連載当初からの最大の謎は「由崎司」の秘密です。
歴史を見てきたかのように語り、病気やケガもしない、人間から離れた存在。
物語が進むにつれて、断片的な情報から「司は不老不死である」というのはなんとなく見えてきます。
このように、謎が多いキャラでしたので、これまでも何者かを考えていました。

トニカクカワイイ 由崎 司の正体について考えてみる。 - タカヒナの日常境界線

ほぼ「由崎司の正体について考えてみる2」といっても差し支えない。 トニカクカワイイ第120話「命の花」 - タカヒナの日常境界線


情報も少ない状態から考えていました。
さらに少年サンデーの公式アカウントでキャンペーンが開催されました。
こういうタイミングもあるし、147話で正体がわかるのであれば、参加するかという考えもありました。


まず146話時点での私の回答は「調石笠(つきのいはかさ)」でした。
この人物であれば、「不死の薬」を手にする事ができただろうと思っていました。
しかし、畑先生が正解は見ていないというツイートから、自分が最初に持っていた回答が違うと判断しました。

畑先生からのヒントは、以下2つ。

「理由」と「141話を読んでいること」。

理由というのは、「司が不老不死になった理由」。
なぜ司が不老不死になることを選んだかです。

もう一つ
「141話を読んでいること」
141話というのは作内で竹取物語について触れられたところです。
つまり司の正体は、竹取物語に登場する誰かであることを推定することができる。
または拡大して竹取物語に関連する伝承関係まで対象を広げることにしました。


司の正体を考える上で、全146話+竹取物語を読み直しました。
これまでの話で取りこぼしているヒントはないか、
竹取物語はどういう物語なのかの再確認。

再読した際の結論をいうとわからん。
まずアプローチが間違っているんですよね。
全146話を全部読んでも、わからないんですよ。

ただわかるのは、司=かぐや姫というのが明確に否定できること。
これは司=かぐや姫であった場合に、なぜ月に向かって「カグヤ」の名前を叫んでいたのかわからない。
これはトニカクカワイイ第119話「千の夜の越えて」の冒頭で
「あの日、声を聞いたんだ。
 輝く月夜の草原で、届かぬ月に手を伸し...
 私の名を呼ぶ...お前の声を...」
とあった。
詳しくはちゃんとコミックスなどを読み直して欲しいのですが、
月に向かって司が「カグヤ」と叫んでいると解釈することができます。


少し前に竹取物語に関連する伝承関係まで対象を広げると書いてます。
しかし、これが間違っているのがすぐにわかる。

理由は「トニカクカワイイ141話の中で伝承について触れていない」、
もう一つは、畑先生のツイートにある
「『理由』を考えた方が当てられるかも。そうなった理由がきっちりあるので。 」
です。
多くの伝承となると神様とかが出てくることが多いです。
かぐや姫伝説の伝承関係を調べきったわけではないので、
必ずしも神様が出てるとは限らないですが、
かぐや姫のモデルとして挙げられることがある
「木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)」
がいます。

しかし、これではないと判断しました。
もしも神様が正体であった場合に、「司がそうなった理由(不老不死)」が存在しないから。
神様は不老不死だろうという思考があったからですね。
元々「不老不死」であるなら、不老不死に変化する理由がないんですよ。

そうなると「竹取物語」に限定されますね。
竹取物語の主要な登場人物って
竹取の翁、帝、5人の求婚者、あとは141話にも名前が出ている岩笠ですね。

さて、もうちょっと考えてみた。
自分の結論に辿り着いたキッカケは2つ。
トニカクカワイイのサブタイトル「FLY ME TO THE MOON」と、
この物語が「愛と命をテーマにしている」ことです。

竹取物語ってすごく簡単に言えば、かぐや姫と結婚する話になる。
つまり、「誰かがかぐや姫を愛していることが理由」となりえると考えた。

竹取物語を読んでいても、かぐや姫に対して強い愛を持っているのは帝なんですよね。
じゃあ、帝なのか?
これは違うと考えました。
0とは言えないけど、竹取物語の登場人物の性別判定は発生しないと考えたから。

帝が男性であるということは、由崎司の性別と合わない。
しかも141話で明確に「帝と翁は不老不死の薬を飲まなかった」と言われている。
同じ理由で翁も消えるし。
5人の求婚者は理由として弱い。竹取物語の中では、不正ばっかしてるしね。


じゃあ、誰か。


一人忘れてるんですよ。
それが竹取の翁の妻の「嫗(おうな)」
これだと実は「愛と命をテーマにしている」が通るんです。

「嫗(おうな)」と仮定した時点で、あとはすんなりいくんですよ。

媼は翁が連れてきたかぐや姫を育てている。
それは自分の子供のように育てたことでしょう。
そんな娘がある日、月に帰ってもう会うことができない。
母としての愛が、かぐや姫を諦めることができなかったと思います。

で、「帝と翁は不老不死の薬を飲まなかった」。
「帝と翁」は、不老不死の薬を飲まなかった。
じゃあ、媼は飲まなかったのか?
いや、きっと「トニカクカワイイ」において、媼は不老不死の薬を飲んだんです。

理由は、どれだけの時間を掛けてでも、もう一度かぐや姫に再会したいから。

トニカクカワイイの中では、
司の正体を知っている時子さんや千歳の発言から、
司の目的が月に関連することだとわかる。

媼と仮定することで、サブタイトルの「FLY ME TO THE MOON」が司の目的であることの
補強と材料となる。

いつかかぐや姫に再会するために月に連れて行って。
これで話がわりとわかる。

司の正体に関連するこれまでの時子さんと千歳の発言から

司の目的は、いつかかぐや姫に再会するために月を目指していた。
でも、有人での月への到達はむずかしい。
なので、時子さんが何らかの助力をして、月を確認した。
これが時子さんが「願いを叶えた」ということだと思う。
自分で月に行くことができないなら、かぐや姫が月にいることを確認したかったんだと思う。

で、結果は、かぐや姫はいないし、月には誰も居ない。
自分が探し求めていたかぐや姫はどこにもいないことがわかった。
長い旅を経て、辿り着いた結論がそれであれば、司はひどく落ち込んだだろう。
なので、そんな彼女を慰めるために、時子さんが無理を言って月の石を手に入れた。

というのが、私の考えた答え。

なので私の考えをまとめると、
司の正体は、竹取の翁の妻 媼。
不老不死になった理由は、どれだけ長い時間を掛けても月にいるかぐや姫に再会したいから。
で、外しましたけどね!