ほぼ「由崎司の正体について考えてみる2」といっても差し支えない。 トニカクカワイイ第120話「命の花」 このエントリーをはてなブックマークに追加 ほぼ「由崎司の正体について考えてみる2」といっても差し支えない。 トニカクカワイイ第120話「命の花」

トニカクカワイイ第120話「命の花」

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ナサが夢を見ているのは、誰かの......まあ、司の記憶。
ナサは自分が夢を見ている状態で目を開けた。
夢を夢と自覚できれば、夢の中を自由に出来るという、明晰夢ですね。
だから、夢の中を歩き回った。

目に入ってくる建物の作りから飛鳥時代か奈良時代と考える。
さらに法隆寺がまであるし、わりと新しい。
つまり法隆寺時点で607年あたりの時代になるわけだ。
正確年数はわからなくても、飛鳥時代というあたりだろう。

なんでこんな夢を見ているのか、
その理由を司と奈良に旅行したからそれがキッカケとナサは考えた。

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夢の中で司を見つけて、声を掛けるが「司ちゃん?」といぶかしむ。
でも、外見的には司ではある。
ということは司であって司ではない。というか、司になる前の人になるだろう。
ややこしいのこの記事内では司としよう。

そんな司は「妹子と共に海を渡る計画で頭が痛い」という。
さらには「国書」を届けるともいっている。

ここでいう妹子は、小野妹子だろう。
海を渡るということは随へいくことを指す。
つまり、この司は小野妹子とともに海を渡った遣隋使ということになる。
遣隋使も何回か随に言っているが「国書」というキーワードから、607年のときだろう。

「日出る処の天子」と書かれた国書を持っていったのだろう。
607年に小野妹子と共に随に渡った人物が司ということになる。

じゃあ、それは誰か?
調べた限りでは、鞍作福利(くらつくり の ふくり)ではないかと思う。

この鞍作福利は遣隋使として小野妹子に随行したけど、
日本には帰国していないという。

この夢の中の司は「私の旅はまだまだ続く。きっとさ......始まったばかりだ」といっている。
なんとなく鞍作福利として、この人は日本に帰ることなく長い旅を続けていたのかもしれない。

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夢から覚めたナサは涙が溢れて司の元へ。
なんとなく不安になってしまったんだろう。

司と要に涙のワケを聞かれて、

怖い夢をみた。

と誤魔化した。

ナサには自分が見た夢が司の過去だとはなんとなく察しはついたんじゃないかな。
ラスト2ページのモノローグは司のものだろうから、
彼女が見た夢を、ナサがみたことになる。

終わらないと思っていた、遠い遠い過去の夢。
も終わった、長い旅の記憶。

司はもっとさまざまなエピソードを夢を見たんだろう。
長い旅もナサと結婚したことで終わりを迎えたんだろうな。

さて、今回の話で司が「鞍作福利(くらつくり の ふくり)」である可能性が大きくなった。
これは大きく予想外。
ずっと竹取物語の誰かだと思っていた。
単純に私の理解で、鞍作福利(くらつくり の ふくり)と竹取物語が繋がっていないだけかもしれない。

ただ、竹取物語が書かれた時代が「平安時代」。
あわないなーと思う所もある。
飛鳥、奈良時代よりも平安時代が後なので、
トニカクカワイイの中では司の経験や体験、などから竹取物語を書いたのかもしれない。
それであれば竹取物語に繋がる部分もなんとなく理解はできる。
竹取物語との繋がりの部分がわかったとすると、今度は司の不老不死についてがわからなくなる。
もちろん司の経験や体験を元に竹取物語が書かれたという設定であれば、
彼女は「かぐや姫」という存在から「不死の薬」をもらった可能性がある。
この可能性を成立させるなら竹取物語で帝に命じられて、
「不死の薬」を捨てに行った「調石笠(つきのいはかさ)」が司であるかもしれない。

畑先生の作品の場合、その世界で「少しぐらい不思議なことは許容される」ことがある。
ハヤテのごとく!では寿命の半分を代償に願いを叶える神様もいたことだし。
それを考えれば、トニカクカワイイにおいて、かぐや姫が実在したことになり、
不死の薬も実在したと考えることもできるかな。

過去の司が不老不死を手に入れて、長い時間をかけてそのことを後悔したとしたら、
前回の119話で輝夜が言っていた
「いつも誰かが泣いている夢
 そいつの息の根を止めてやれって」
というのは、不老不死を手に入れたことによる後悔を月のかぐや姫に訴える
司の願いなんじゃないか。

自分が長く生き続け、知っている人が誰もいなくなって、
死ぬことも出来ず生き続けることになったら、それはきっと辛いんじゃないかな。

と、まで今回の話を読んで考えた。

トニカクカワイイ 由崎 司の正体について考えてみる。 - タカヒナの日常境界線
を手直しするのもめんどくさいので新しく書き上げることも視野にいれながら、
司の正体について先々週の時点では下記を考えてました。

1.かぐや姫
2.調石笠(つきのいはかさ)
3.天人

1のかぐや姫の線は119話でほぼ消えたので、
2,3のいずれかかなとなっていました。

追記ここから
一旦は司=かぐや姫というのがなくなったと思ったけど、
司がかぐや姫である可能性はまだ消えきらないので残るのか。
飛鳥・奈良時代よりも昔に「輝夜」として司が産まれていたとして、
そのまま生きていれば、鞍作福利として随に行くことも考えられる。
追記ここまで


2の「調石笠(つきのいはかさ)」は「不死の薬」を手にする機会があるので、
不老不死を手に入れることができたのではないかということで候補に入れてました。

3についてはほぼないだろうと思っていたけど、候補に挙げていた。
これは「調石笠(つきのいはかさ)」が不死の薬を手にしなかった場合に、
他に不老不死を持っていても不思議じゃない人物は誰かなと考えたときに、
月からきた天人であれば、不老不死を持っていても不思議ではないだろうということ。

そんなことを考えながら先々週までいました。
竹取物語やかぐや姫の伝説もだいぶ調べたんですけど、
119.120話で自分の仮説が見事に砕かれたので、
まとめて記事にしなくてよかったなと思っています。

司がかぐや姫だと仮定した場合、月に帰ってないな?と考えて、
富士市のかぐや姫の伝説では、月に帰る展開ではなく、
富士山に隠れたと言われているので、
その線で考えたら司はかぐや姫ではないと否定しきれないと考えていた。
危ないところだった。

司の正体が「鞍作福利」で決定かはわからない。

まだわかっていないことはたくさんある。

1.司はどうやって不老不死を手に入れたのか
2.司のためになんで時子さんは月の石を用意したのか。
3.なんで「司」という名前にしたのか。

まだまだ考えることはたくさんある。