普通の女の子が辿り着いた答え/西沢歩にしかできなかったこと。 このエントリーをはてなブックマークに追加 普通の女の子が辿り着いた答え/西沢歩にしかできなかったこと。

ハヤテのごとく! 第565話「誰かが君を愛してる」を読んで、
西沢さんについて何かを書こうと思い立ってみた。

ハヤテのごとく!も終わりが近いから、
ホントはそれぞれのキャラクターについて書いていきたいけど、
残念ながら文章力と時間が足りない。

さて、西沢歩は、
ハヤテとナギが出会う前から、
ハヤテに好意を寄せていた「普通の女の子」です。

ハヤテのごとく!の物語において、「なにもない」普通のキャラクターです。
お金持ちなわけでもない、生徒会長だったり、頭がよかったり、異能が使えたり、そういうわけじゃない。
普通の家庭で育った女の子です。

普段はヒナギク視点だったり、ハヤテとナギの側でメインストーリーを追いかけているので、
たまに「あ、このキャラクターについて書きたい」となると、結構大変です。
これを書こうと!と思っても、565話強あるのか......と考えて気が重くなりました。

西沢さんってどう位置のキャラクターだろうと考えると、
やっぱり先に書いてるように「普通の女の子」なんですよね。

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西沢さんの話はここから始まったわけです。
登場タイミングやハヤテが好きだと言うことが共通してることから
よくヒナギクと一緒に語られることが多いのではないかな。
作内でも西沢さんはヒナギクと友人関係でもあるわけですし。

西沢さんを語る上で外せないのは、やはり下田編ハヤテのごとく!116話コミックス11巻9話「夢の中よりも夢のよう」ですね。
ハヤテのごとく!の各キャラエピソードでいくつか印象的な話はあるのですが、
私にとって西沢さんのエピソードではそれが「夢の中よりも夢のよう」です。
この話は、西沢さんの世界において、一つの大きな区切りになってると思っています。

バックステージでも、


たとえばこの漫画が西沢さんがヒロインの少女漫画なら
もう少しいじってこのまま最終回というのもアリだった
かもしれません。
が、そうではないのでまだ続きます。
当然、西沢さんの物語もまだまだ続きます。
むしろ始まったばかりといってもいいかもしれません。
サンデーまんが家BACKSTAGE|畑 健二郎 Vol.119より

と言われていて、終わりよりは始まりの話です。
ハヤテのごとく!は見開きを多用しない方です、ホントに重要な時に使われているのです。
その辺の話は、先ほどのvol.119のバックステージにあります。
見開き効果、あと手元にはもうないですが、本誌掲載時のこの話のラストがよかったんです。
あれは担当さんが入れてくれた引きの文章が良かったのかな。
コミックス収録版もいいんですけどね。

で、「夢の中より夢のよう」は西沢さんの恋愛について考えの一つに触れることができます。

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この話は西沢さんの恋愛について大事だと思わせているのが
ハヤテからのホワイトデーのお返しはいらない。といっているのですけ
お返しはいらないといっていたのは、
告白した後から下田編までの思い出だったり、日々で充分だったのかなと思っています。
この他にも西沢さんの恋愛観に通じるのを作内でも当然いくつか出てます。

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誰がハヤテをスキになったって、そのうち私が、口説き落としてみせちゃおっかなって。
だったり、

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愛情が深いって事なんじゃないかな?

といったことを言っていて、
誰がハヤテに想いを寄せていても、ハヤテが誰に想いを寄せていたとしても
それはそれでいいんじゃないかな、自分はハヤテが好きなんだという感じですね。

とはいっても、それなりに焦ることがあります。
印象的なのは、同人編のルカに対してでしょうね。
なりふり構わない行動を取ったり、恋葉とのキスを目撃した後の行動は、迷走してましたね。

そういった恋する女の子の一面の一方で、重要な部分でさらりと役割をこなしています。
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ミコノス島編では王玉をソニアに奪われたハヤテを落ち着かせてました。

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ナギの同人誌の話に繋がるキッカケではナギに「卵を取り出す」という能力があるかもな。と言われていたりする。
全部はピックアップできなかったけど、西沢さんは要所要所で彼女にしかできない役割を果たしているんです。
何か特殊な才能や能力があるキャラクターではなく、普通の女の子であるからこそできる役回りなんだと思います。

目立ったところをピックアップすると、恋愛と何気ない役割というのが彼女の話なんですが、
一番重要なのはいわゆる「日常」編ともいえる、一話完結のエピソードなんだと思ってます。
それはハヤテのごとく!自体が日々の積み重ねを大事にしている作品だからこそというのもあるんですが、
「夢の中より夢のよう」で出てきたように、
西沢さんは、下田編で思い出や日々の出来事が大事なんだろうと感じていました。
だから長編だけでなく、一話完結のエピソードでの西沢さんの出来事も、意味があったとわかります。

そういうことを踏まえると、565話「誰かが君を愛してる」で、
ハヤテから告白されて出会い方さえ間違えなければと思ったときに、
「出会い」を否定し、一年間を否定ししてしまえば、得たものすらも否定してすることになってしまう。
と「夢の中より夢のよう」では持っていた気持ちを西沢さんが思い出したわけですね。

だから一年間これまで歩いてきた日々と、重ねてきた想いが、集約されたからこそ、

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それでもこの一年に、間違いなんかなかったよ。というセリフに辿りつけたんじゃないかと思ってます。

西沢さん以外に他のキャラクターでこのセリフが言えるかを考えても、
ヒナギクでも、ナギでも、ルカでも、マリアさんでも、他のキャラクターでも
やっぱりこのセリフはいえない。


西沢さん、あんたすげぇよ。


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