受け入れられないから歪んでいる。よふかしのうた 第110夜「居場所」 このエントリーをはてなブックマークに追加 受け入れられないから歪んでいる。よふかしのうた 第110夜「居場所」

よふかしのうた 第110夜「居場所」

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夕家は自分たちが営業する花屋が閉店するまでの間は、
自宅に戻らない。
だから、夕家のことやマヒルのことを調べるには不法侵入するしかない。

目代さんが気になったのは、マヒルの母親の態度。
息子が帰ってきていないのに、心配する様子もない。

夕家の自宅の玄関はたまたま鍵が掛かっていなかった。
いやー、偶然ってあるんだなー。

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目代さんは家の様子から、どんな家族かを想像する。
パッと見て普通の家庭っぽい。
気になるところで言えば、玄関とリビングの間のドアが外されて、ビーズカーテンになっていること。
それによって誰かが帰ってきたらすぐわかる。

そして部屋の中を探して、マヒルの兄の仏壇がないことに気が付く。
仏壇がない理由として、
1. 宗教的な理由
2. 金銭面
3. まだ子供の死を受け入れられない。
あたりが想像できる。

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目代さんが、マヒルの部屋だと思って入った部屋は、まるで小学生のもののようだった。
その部屋にあるノートには、「せきしょうご」と名前が書かれていた。
マヒルの名前ではない。
つまり、その部屋はマヒルの部屋ではなく、兄の部屋。
目代さんは自分が見てきたものから想像する。

ビーズカーテンで誰が帰ってきかわかるのは、
亡くなったはずの子供が帰ってくるかもしれないから。
目代さんの言及はなかったけど、玄関に鍵が掛かっていなかったのも、
同じ理由なんだろうな。
ふらっとマヒルの兄が帰ってきても困らないようにしてる。

目代さんの調査の結果、夕家には、マヒルの居場所がない。

マヒルの母親が、マヒルのことを心配していない様子だったのは、
彼のことをどうも思っていないからなんだろう。
それよりも亡くなった兄の帰りを待っているんだな。


よふかしのうた(9): 少年サンデーコミックス コミック 2021/11/18