僕らの延長線上に大人がいる。よふかしのうた 第97夜「失敗したいな」 このエントリーをはてなブックマークに追加 僕らの延長線上に大人がいる。よふかしのうた 第97夜「失敗したいな」

よふかしのうた 第97夜「失敗したいな」

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目代さんは酔いつぶれて、コウくんにおんぶしてもらってる。
潰れてる目代さんは、一旦ナズナさんの部屋へ。
目代さんのために二人で水を買いにいこうとしたら、
コウくんが目代さんに引き止められた。

体調が悪い自分だけを残すのか、
どっちかは残れ。

目代さんの言い分はわかる。
具合悪いと誰かいてくれた方が不安も和らぐよね。

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目代さんの指名でコウくんが残ることになった。
目代さんは、気を紛らわせるために、コウに何かを話せと。

コウが話題に選んだのは、これまで夜に出会った大人のこと。
学校では好きでじゃなかった先生が、夜に会ったら酒を飲んでて話やすかった。
そうやってこれまでだと出会うことがなかった大人たちに出会ったことで、
大人はもっと子供とは違うと思ってた。
でも、大人は自分たちの延長にいると知った。

その流れでコウくんから目代さんへの質問。

自分が大人になったってタイミングはありましたか?

目代さんの答えは歳を重ねることだけで大人になれない。

ほとんどの人間はさまざまな成功と失敗を経験して大人になる。
でも、目代さんはそれを経験していない。

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コウをベッドに引き倒して、自分の話を始めた。
吸血鬼に家族を壊されたこと、父に問題があったこと。
何か敵を作っていないと生きる目的を失ってしまう。

目代さんなりに普通に生きようとしてみたけど、
それは難しい。

目的を失った目代さんは、「この10年がムダだったのか」という疑問を持っていた。
それをムダだったかは誰にも言えないだろうな。

コウくんは目代さんの話を聞いて、目代さんのお父さんを変えた吸血鬼に会いたい。
それで話を聞きたい。
目代さんの10年をムダだと思いたくないから。

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