あの青空を越えて。トニカクカワイイ第158話「青空(後編)」 このエントリーをはてなブックマークに追加 あの青空を越えて。トニカクカワイイ第158話「青空(後編)」

トニカクカワイイ第158話「青空(後編)」

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スイカを買って帰ってきた司。
そのスイカは、司にとって、時子さんとの思い出のアイテムでもある。
彼女なりの感傷だろう。

時子さんと一緒にスイカを食べた時のことを、昨日のように思い出せる。
長い時間を生きてきた司にとって、たかだか数十年前のことであって、
感覚的には本当についこの前のようなものなんだろう。

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千歳が司のことを追ってきて、
「姉様の願いは、私が必ず叶えてみせる!」
と宣言した。

その姿は、幼いときの時子と被る。
時子さんは自分が出来ることをやって、人類を月へと至らせた。
千歳は彼女の出来ることで、一体どれだけのことを成し遂げることができるのだろうか。
小さな、小さな、積み重ね。
でも、決してムダではない。
司はこれまで多くの人に支えられてきた。

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司が時子さんに聞きたかったことがある。

それは「幸せになれたか?」。
やはりをそれを聞きたいよね。

司に関わったことで、本来、いらない無理をさせたんじゃないか。
それによって、時子さんの人生を不幸にしてしまったんじゃないか?
そんな不安と罪悪感から、不安だった。

時子さんが幸せだったか。その明確な答えを得ることはできない。
でも、司は時子さんと歩めたことが、幸せだった。

時子さん関連の話は
トニカクカワイイの「愛と命」というものを
すごく体現しているものだと思う。

ナサと司の関係とはまた別の視点からの「愛と命の物語」が、
時子さんと司にはあると思う。
トニカクカワイイという作品の本質に近いものだったんじゃないかと思う。


トニカクカワイイ(17): 少年サンデーコミックス コミック 2021/8/18