ピリオドに辿り着いて、そしてピリオドの先へと。トニカクカワイイ第xxx話「永遠はここに」 このエントリーをはてなブックマークに追加 ピリオドに辿り着いて、そしてピリオドの先へと。トニカクカワイイ第xxx話「永遠はここに」

トニカクカワイイ第xxx話「永遠はここに」

本編に入る前にひと言だけ。

畑先生、勘弁してくれ!

と、深夜になりましたよ。
どうしてくれるんだよ(良い意味で)

さて、本編。

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奥に見えるのは、冬の富士山。
場所は以前、グランピングしたところですね。
雪化粧もしていて、とてもキレイに見える。
そして冬の澄んだ空気もあって、星空がとてもきれい。

そう、今回は、もう時期が冬です。
前回までGet Wildを歌ってたり、イチャイチャしてたのは夏ぐらいです。
そこから時間はかなり経過しています。

こんな冬の日にナサと司が、山奥まできたのはキレイな星空を見に来たわけではない。

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7月20日に亡くなった月読時子さんの散骨をするためにここまできた。
時子さんは、初期の話数でも体調不良を理由で、文部科学大臣を辞任している。

本作品において、時子さんが亡くなるというのは、ある意味想定している範囲のことではあった。
ただそのイベントが、この時点で確定するとは思っていなかった。

ナサと司は、時子さんの遺言に従って、12月に散骨することになった。
2人だけじゃなくて、輝夜もいる。

輝夜は「雪が降ったら、花火が打ち上げられなくなるぞ」といってるし、
散骨した後に、時子さんを見送る意味で花火を上げるのかな。
或いは月へ届けという願いもあるのかもしれない。

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7月に亡くなった時子さんが、散骨を12月にしたのか。
それはナサと司の2人のことを考えて。

司のことを何も知らないナサが、司のことを全て知っても一緒にいてくれるのかどうか。
本当にナサと司の愛が永遠であるかを心配していたんじゃないか?
というのが司の考え。

この時間軸のナサは、司の全てを知っている。
全てを知って、それでも2人で歩むことを決めている。
司も「これから長い、時間をかけて、今よりステキな、夫婦になるんだ!」といってるし、
いろいろなことを乗り越えたんだろうな。
輝夜もいるから、司と輝夜の間にある何かはたぶん解決してる。
たぶん司の目的のようなものを達成してるのかもしれない。
散骨しながら「旅の終わりまで、連れてきてくれてありがとう」と司が、
時子さんにお礼を言っている。
本当にいろいろなことが終わったんだろう。


今回の話を読んで真っ先に思ったのは、先行最終回。
これまで畑先生は、ハヤテでも暫定最終回という、
「ここで打ち切られてもいいかな」ぐらいの
区切りを持っていました。
トニカクカワイイにおいても、それっぽいところは何回か出現してます。

それらは作品の時系列を積み重ねて、辿り着いたもの。
今回の場合は、物語がいつか辿り着く核心的な話。
この第xxx話「永遠はここに」が最終回になるかはわからないけど、
今、ある伏線や想定されているさまざまなことを経て、
司とナサが辿り着く場所。

近いモノだとハヤテのごとく!の8巻収録の「SMALL TWO OF PIECES」などですね。
物語がいつか辿り着く話を先に書いてしまうもの。
「SMALL TWO OF PIECES」では連載時はそれほど親しいわけではなかった
西沢さんとヒナギクの関係性の変化などを先に描かれていました。

でも、今回の第xxx話「永遠はここに」は、そういった人間関係の変化、
輝夜と、司とナサの関係、時子さんの逝去(しかも7月20日までわかってる)、
司の秘密を知ったナサ。
本誌掲載時に加えるなら「すべてはこの遠い道程のため...」という文章がある。
これだけの情報量も考えて、先行最終回といってもいいんじゃないかな。

次週は休載だけど、
時間軸が戻った後に、読者が視点で一番わかりやすい大きなイベントは、時子さんの逝去だろう。
なにせ7月20日という日付まで明示されている。
ともあれ、今回の話を持ち出したことで、トニカクカワイイの話が大きく動きだすの確か。

トニカクカワイイ(15): 少年サンデーコミックス (日本語) コミック 2021/3/17