誰かに背中を押してもらいたい時はある。 よふかしのうた 第50夜「始まりは花だった」 このエントリーをはてなブックマークに追加 誰かに背中を押してもらいたい時はある。 よふかしのうた 第50夜「始まりは花だった」

よふかしのうた 第50夜「始まりは花だった」

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マヒルはキクに想いを伝えたことについて考えていた。
キクは吸血鬼であるんだし、彼女のことを好きだというのは、
つまり、人間をやめて吸血鬼に、眷属になれる覚悟があるかということ。
それは簡単なことじゃない。

そもそも、マヒルとキクの関係の始まりは花だった。
店に花を届けに行き、その時に出会ったキクに花を一輪あげたのがキッカケ。
それから少しずつ話すようになっていった。
マヒルからみると、それは大人の女性の余裕とかそういうものなんだと思う。
でも、やっぱり、キクは吸血鬼だし、前回のラストを考えると、
マヒルへの応答や態度は、彼女が人を騙しているときのものだとおもう。

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たまたま声を掛けてきた、アキラに「吸血鬼になるってなんだ?」と悩みを打ち明けた。
マヒルは「吸血鬼」になることに悩んでる。
でも、マヒルが悩むことをコウは簡単に決めている。
それがわからない。
アキラがいうようにコウが馬鹿だからというのはあると思う。
コウはマヒルと違って、たぶん刹那的なことで決めている部分もあるかもしれない。
でも、マヒルはそうじゃなくて、いろいろな方向性で悩んでるんじゃないかな。

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アキラと話してるときに声を掛けてきた友人?は、
マヒルに最近付き合い悪くない?
と言ってきた。

ラインの返信がないとか、
誘ってるのに用事があるから断って、
自分たちのことを避けてるんじゃないか?

すげぇ、めんどくさいやつだ。

だから、マヒルは「お前らといてもあんま楽しくない」と答えた。
で、それと同時にマヒルは「吸血鬼」になることを決めた。
アキラはマヒルとの付き合いが長いからわかっていて、
マヒルは悩むけど、それは答えが決まっていて、悩んでいる振りをしているだけ。

人間、自分の決断が正しいのか。それを踏ん切るために背中を押してもらいたかったり、
キッカケがほしいもんだよね。

さて、マヒルが決断したのはいいんだけど。
キクが胡散臭いにも程がある。
本当に今のままで、マヒルはキクの眷属になるのが
幸せかどうかだよな。


よふかしのうた (4) (日本語) コミック 2020/8/18