よふかしのうた 第39夜「あなたは人のまま死ぬ」
前回、鶯餡子の血を吸って男が苦しみだしたわけだけど、
鶯餡子の血が特別なのかと思っていたけど、
そもそも男の吸血鬼が人間の血を吸ったことがなかった。
男の吸血鬼は吸血鬼になってからの10年、一度も血を吸っていなかった。
アキラの血を吸おうとしたのは、10年間の我慢の限界が、今回だったから。
ナズナやセリといった吸血鬼に関わってきたコウからすると、
「これまでなんで血を吸わなかったのか」というのが疑問が出る。
でも、鶯餡子からは「誰が好き好んで吸血鬼になんかになりたい?」と言葉が返ってきた。
男の吸血鬼は、ダマされて吸血鬼になった。
いや、吸血鬼にされたんだろう。
だから、自分が吸血鬼になったことを信じられずにいた。
自分を吸血鬼にした、女が許せないままでいる。
鶯餡子は吸血鬼になったことを受け入れない男に、
指輪を渡して「人間として死なせてあげる」といった。
誰も誉めてくれなかった、認めてくれなかった。
そんな彼を鶯餡子は誉めて、認めた。
朝日が昇ると、男は灰に消えた。
鶯餡子は探偵の仕事をしていく中で、
失踪の理由に吸血鬼が絡んでくることも少なくなく、
結果、吸血鬼への対処も必要になった。
問題はどうやって吸血鬼を殺したのかな。
男に渡した指輪は単純に彼の思い出の品だと思うし、
太陽の光によって死ぬのか、それとも吸血鬼の後悔やなにかを解消すればいいのか......。
このあたりについては、そのうち明確に出てくるのかな。
有力はベタに太陽の光だけど......。
吸血鬼を殺したことについては、コウは猛烈に反発した。
鶯餡子によれば、鶯餡子がなにかをしなくても、男の吸血鬼は、今日死ぬはずだった。
今日死ぬのであれば、鶯餡子が殺す必要がなかった。
なんなら生かす方法もあったんじゃないかというのがコウの意見。
けど、鶯餡子からすれば、吸血鬼になったことを否定し続けた男に
吸血鬼のまま生きろというのかという。
彼が望んで吸血鬼になったなら生きる道を出すのもありだろうけど、
今回の場合、望んでいないし、受け入れていない。
なら、人間のまま死なせることが、もっとも優しいやり方なのかもしれない。
鶯餡子が「悪いが君のくだらない「夢」を叶えさせるつもりはない」と、
コウに言ったけど、彼女はコウの望みを知っているんだよな?
コウが自分から望んで吸血鬼になりたいと思っていることを。
いろいろな吸血鬼がいる。
それはコウたちが知らないだけ。
ナズナやセリのような吸血鬼ばかりではないってことだよな。
ナズナたちと関わってきたことで吸血鬼のことを知っているつもりだったけど、
「まだ吸血鬼を知らない」ってことだ。
で、最後にマヒルが鶯餡子の元を訪れた。
どうなるかな。
ついに吸血鬼を殺せる存在が出てきたので、
ワクワクしてくるな。
小学館 (2020-04-16)
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