よふかしのうた 第38夜「吸血鬼って知ってるかい?」
前回、七不思議の九個目を確かめようと教室を開けたら不審者がいた。
九個目の七不思議は「十年前に失踪した男性教諭が夜にとある教室に現れる」というもの。
前回の終わり方から、当直の先生か用務員だと思っていたんだが......。
どうやらそんな感じではなく、ガチで不審者なのでは?
真っ先にアキラを狙ったし、その力も強い。
コウはなんとなくいろいろと悟った。
教室にいた男は、吸血鬼だ。
相手が吸血鬼だと理解してるから、コウは椅子で思いっきりぶん殴った。
彼が吸血鬼だとした場合の、コウの疑問はいくつかある。
1.ナズナやセリとかみたいに吸血鬼は綺麗でさっぱりしてるのに、
この吸血鬼はなぜ汚いのか。
2.なんでこんなに苦しそうなのか。
3.この吸血鬼は誰なんだ。
ナズナやセリといったこれまで出会った吸血鬼は、
人間の異性から血を吸いやすいように外見はキレイなだし、
その仕草や話術は相手に好意を抱かせるようなもの。
それに対して、この吸血鬼はコウが疑問に思うように、
キレイさや異性を引きつける魅力があるとは思えないもんなー。
その吸血鬼は自分の中の衝動を抑えようとしてるようだった。
事態がよくわからない中、私立探偵の鶯餡子が姿を現した。
彼女はなにかの別件を追っていたら、夜の学校に辿り着いたみたい。
鶯餡子が挑発したからか、我慢の限界に達した。
おそらく鶯餡子は自分の血を吸血鬼に吸わせた。
吸血鬼は苦しみだして、鶯餡子は「吸血鬼って知ってるかい」と質問してきた。
これまでの「よふかしのうた」とは違って、シリアス度が一気に深くなって、
急展開で面白いな。
男の吸血鬼はおそらく人の血を吸っていない状態で飢餓状態だったんだろうな。
ただ、なんで男がそこまでの状態になったのかはわからない。
彼の発言からは、自分の意志で血を断っていたんじゃないかと思う。
鶯餡子の血を飲み出したことで苦しみだしたとすると、
彼女の血が特別なのか、それとも飢餓状態で血を摂取したことによる反動なのか。
これまで「よふかしのうた」に出てきた吸血鬼とは方向性が違うから、
驚いているところもある。
「ナズナたちみたいな吸血鬼」が作品としての吸血鬼だと思っていたので、
今回みたいな危険度が高い存在が出てくるとは思わなかった。
さて、次回からどうなってくるか、楽しみだ。
小学館 (2020-04-16)
売り上げランキング: 94