お互いがお互いを大事にしてたってことだ。 よふかしのうた 第29夜「ずるい」 このエントリーをはてなブックマークに追加 お互いがお互いを大事にしてたってことだ。 よふかしのうた 第29夜「ずるい」

よふかしのうた 第29夜「ずるい」

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メンヘラくん=秋山くんを、セリは眷属にするつもりはなかった。
なんでか?
そういうの飽きた。
セリが言うには「人との関わり全てに恋愛がついてくることに疲れた」。
人間関係疲れというのは吸血鬼にもあるんだな。

吸血鬼の場合は、相手を食事か眷属にする相手にしか思ってないから、
その手段として恋愛がまとわりついてくるんだから疲れる。

吸血鬼は、相手を惚れさせる技術を知ってるから、それを無意識的にやって、
どのタイミングでなにすれば惚れるか、あと一押しなのかもわかる。
そんなことを考えてたら疲れてしまった。

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結局、セリは秋山くんと友達になりたかったけど、
関係性が発展するのが嫌だった。
だから、嫌われてしまえば、「恋愛感情」というめんどくさいものは消えるし、
極論的に「殺す」という手段をちらつかせることも考えてた。

コウがいうのは秋山くんよりも、セリの方がメンヘラだ。

友達のままでいたいけど、そういうわけにもいかないから殺すは、
まあ、確かにメンヘラだ。

コウからの提案は友達として話してみたらいいんじゃない?

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セリは吸血鬼で、秋山くんは人間。
吸血鬼からみた人間は、食事か眷属。
だから、普通の人間が考えている「友達」は成り立たない。
セリは秋山くんとは今後は会う気はなかったけど、
やっぱりそれがセリは嫌だった。

吸血鬼の事情も知った上で、秋山くんは自分が眷属になることを選んだ。

コウから見た、セリと秋山くんの関係はずるいと思えるものだった。
セリが秋山くんとの関係は、吸血鬼と人間の関係の話であって、
それを踏まえてセリが考えてくれたのがよかったのかもしれない。

ナズナとコウの場合は、そういうの関係でもない。
だから、自分と同じ人間と吸血鬼の関係が羨ましかったのかな。

それにしても秋山くんが眷属になったけど、変化は外からはわからないんだな。
普通に吸血されただけで、別に外見に異変があるわけでもないんだな。


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