よふかしのうた 第6夜「アキラ」

コウに「友達一人もいないの？」と訊くナズナは残酷だと思うんだよ。
そんなことを言うものだから、
コウも「友達ってどこから言っていいんですかね？」とか、
言い出しちゃったじゃないか。

友達だと思ったら友達だ。

......ナズナさん、それはコウくんには残酷だと思うんだよ(2回目)。

友達ってなんだろう？って考えながら帰るコウの、時計型トランシーバーが鳴った。
しかも、ナズナの方じゃなくて、幼いときに買った方の時計型トランシーバー。
時計型トランシーバーの有効距離が150メートルなので、近くにもう片方を持った人物がいるわけだけど、
それはコウが振り返ったら、居た。
いわゆる、幼なじみ。
名前は朝井アキラ。
コウからしたら、知らんうちに友達にされていた相手。
そのアキラが時計型トランシーバーをなぜ持っているのかというと、
コウがトランシーバーを置いた場所が、アキラの家のポストの上だったから。

アキラとは久しぶりに会ったわけだけど、彼女はまだコウのことを友達だと思っているし、
またコウに会いたいと思っている。
彼女がしている勘違いを解くことはしてないけど、
また同じ時間に会うことになりそう。
ちなみに早朝4時。
朝はやいんだか、夜おそいんだか......。
でも、午前3時だと夜な気がするし、午前5時だと早朝な気もするので、
夜更かしの少年が早起きの少女が出会うにはいい時間かもしれない。

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