この物語に、幻想殺しの少年は登場しない――。
上記の言葉どおり、幻想殺し――上条当麻は登場しない。
今回は凄かった。展開も、新キャラの登場も、そしてリタイアの数も。
一方通行が所属する「グループ」を始め「アイテム」「スクール」「ブロック」「メンバー」とした学園都市の暗部の組織が多く出てきて、それらが動き出した。
五つの組織が、学園都市で大暴れ。
それぞれがそれぞれの目的のために動いているけど、それら全てにアレイスターの思惑を感じた。
アレイスターを出し抜くために動いた組織もあったけど、その出し抜く動きさえアレイスターの思惑なんじゃないか?
超能力者が、一方通行と御坂美琴以外に二人登場。
いつかは出ると思ったけど、ここできたか。
一方通行は超能力者の中で、第一位だったから、御坂美琴との戦闘力の違いはわかっていたけど、第二位と第四位もここまでやるのかと。
第一位と第二位、第二位と第三位(御坂美琴)、それぞれの間に横たわる差は大きいんだろうな。
一方通行と未元物質の戦い考えると、その差がよくわかる。一方通行の覚醒とも言えるあの黒い翼は、頭蓋から突き出た角は、まるで悪魔だよと思う。
やっぱり、一方通行の役割がアレイスターの思惑のキーの一つだよね。
初春と迷走をしていた最終信号が、一方通行を止めるとは……。一方通行にとっての最終信号を考えれば、そうなのかと納得した。
一方通行以外で気になったのは「アイテム」の面々。
イラストとして気になったフレンダは、ほとんど活躍もなくリタイアしたけれども。仕上の活躍というか、頑張りが非常に良かった。一番以外だったのは、254ページの麦野の挿絵。正直、こえーよ!
ある意味で、一方通行がメインだけど、それ以外の部分は仕上がメインなのかも知れない。
能力者同士の戦いの一方で、海原とショチトルの魔術師同士の戦いも。そこでは、「原典」と「組織」が気になるところ。
名前をあげた仕上と海原以外のキャラも、非常に頑張っていた。
前巻の感想で、
今回も、ちらりと一方通行が出てきたけど、一方通行、土御門が所属してる「グループ」自体もわかないことだらけだな。
そして、アレイスターも……。(タカヒナの乱雑日記 | とある魔術の禁書目録 14より)
と書いた疑問も、結構解決してたり、それに関わったことが明らかになったな。
正直15巻は、当麻が記憶をなくしていることを知った美琴の動きがあるのかとか、残されたインデックスは?と考えていたけど、五つの組織、そして最後に明らかになった「ドラゴン」の存在などで満足した。
でも、今回の騒ぎの裏側やその後として美琴のことも、インデックスのことも、アビニョンから帰ってくるだろう当麻のことが気になる。アレイスターの思惑はどこへ向かっていくのか。
次回は美琴とインデックス二人の話じゃないか?という妄想が……。
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絵師のはいむらきよたかさんのrainbow spectrumでは、15巻のラフが見れます。
とある魔術の禁書目録 14 (14) (電撃文庫 か 12-15) | |
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